デジタル化・AI導入補助金でクラウド会計・ツールを導入!対象と申請の注意点

デジタル化・AI導入補助金活用ガイド 補助金手続きの流れと導入成功のコツを税理士が解説

「会計ソフトや業務ツールを導入したいけれど費用面で踏み切れずにいる」

「インボイス制度や電子帳簿保存法に対応するため、システムを新しくしたい」

このようなお悩みを持つ方におすすめなのが、「デジタル化・AI導入補助金」です。

デジタル化・AI導入補助金を活用することで、クラウド会計ソフトや受発注システムなどの導入費用に対して、最大で数十万〜数千万円規模の補助を受けることが可能になります。

本記事では、補助金を活用してクラウド会計ソフトを最小限のコストで導入する方法から、最適な申請枠の選び方、失敗しないための注意点、導入後の業務効率化までを詳しく解説します。

目次

デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)の概要

デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)は、中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDXを推進するためのITツール(ソフトウェア、アプリ、サービス等)の導入を支援する補助金です。

まずは「自社が使えるのか」「どのくらい補助されるのか」といった情報を整理していきましょう。

1. 対象者(誰が使える?)

中小企業や小規模事業者が広く対象となります。

中小企業:製造業、建設業、卸売業、小売業、サービス業など(資本金・従業員数の要件あり)

小規模事業者:従業員数が少ない事業者(商業・サービス業は5人以下、製造業等は20人以下など)

個人事業主・フリーランス:確定申告を行っており、事業を営んでいる方

2. 補助額と補助率(いくらもらえる?)

申請する「枠」や導入するツールの規模によって異なりますが、一般的な枠組みは以下のようになります。

補助額:数万円〜最大数千万円(申請枠による)

補助率:1/2〜4/5

補助率2/3の枠で100万円のソフト(および関連設定費用)を導入する場合、約66万円が補助され、実質負担は約34万円で導入可能となるでしょう。

3. 対象となる経費(何に使える?)

補助金の対象になるのは、事前に対象として登録されたソフトウェアやサービスの導入コストです。

ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分など)

導入関連費(初期設定費用、マニュアル作成、研修費、保守サポート費など)

パソコンやタブレットなどのハードウェア単体での購入は、原則補助金の対象になりません。ただし、インボイス枠など一部の申請枠を活用し、会計ソフト等のソフトウェアとセットで導入・契約する場合に限り補助対象となります。

会計ソフト・クラウドツールはどの枠で申請できるか

デジタル化・AI導入補助金には複数の「申請枠」が用意されています。会計ソフトやクラウドツールの導入を検討している場合、どの枠で申請すべきかを把握することが重要になります。

① 通常枠(業務効率化・生産性向上・AI活用)

働き方改革、被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス対応などの社会変化に対応し、中小企業・小規模事業者の業務効率化やデジタルトランスフォーメーション(DX)、AI技術を活用した生産性向上を支援します。

対象となる経費

単にソフトウェアを買うだけでなく、設定や運用のサポート費用まで手厚くカバーされるのが特徴です。

ソフトウェア:購入費、クラウド利用料(最大2年分)

導入関連費(オプション):機能拡張・データ連携ツールの導入費用、セキュリティ対策費用

導入関連費(役務提供):導入・運用サポート、導入設定・マニュアル作成、導入研修、保守サポート費用

プロセス数補助額補助率
1〜3プロセス5万円〜150万円未満1/2 以内
4プロセス以上150万円〜450万円以下1/2 以内

導入するITツールがカバーする業務領域(会計・決済・顧客対応・人事給与など)の数(=プロセス数)によって、補助額の上限が変わります。

詳細は中小企業デジタル化・AI導入支援事業『デジタル化・AI導入補助金2026』の概要を参考にしてください。

② インボイス枠(インボイス対応類型)

クラウド会計や受発注・決済システムを安く導入したい事業者様に、最も人気のある申請枠です。 インボイス制度や電子帳簿保存法への対応に必要なITツール(各種ソフト)の導入費はもちろん、運用に使うPC・タブレットやレジ・券売機の購入費用まであわせて補助を受けることができます。

対象となる経費

ソフトウェア・オプション・役務:会計・受発注・決済機能を有するソフトウェア購入費、
クラウド利用料(最大2年分)、セキュリティソフト等のオプション費用、導入支援・保守費用

ハードウェア:PC、タブレット、レジ・券売機等の購入費・設置費用(ソフトウェアとセット導入が条件)

対象区分補助額補助率
1機能(会計等)〜50万円以下3/4以内(小規模事業者は 4/5以内)
2機能以上(会計+受発注等)50万円超〜350万円以下50万円超の部分は 2/3以内
PC・タブレット等〜10万円まで1/2以内
レジ・券売機等〜20万円まで1/2以内

導入するソフトウェアの機能数(会計・受発注・決済)や事業規模によって補助率が手厚くなります。

③ インボイス枠(電子取引類型)

親会社や発注元となる事業者が主導し、取引先(受注側の中小企業等)のインボイス対応をまとめて支援する枠です。
発注者がインボイス対応の受発注ソフトを導入し、取引先に無償でアカウントを提供・利用させる場合の導入費用が補助されます。

対象となる経費】

ITツールの導入費用:受発注ソフト等のクラウド利用料(最大2年分)

申請者の区分補助額補助率
中小企業・小規模事業者等最大 350万円以下2/3以内
大企業等最大 350万円以下1/2以内

発注者側の企業規模によって補助率が変わります。本枠に限り大企業も申請可能となっています。

④ 複数者連携デジタル化・AI導入枠

商店街、商工団体、地域のまちづくり会社やサプライチェーンなど、10者以上の複数の中小・小規模事業者が連携してデジタル化やAI活用を進めるための大規模な枠です。

対象経費の分類補助上限額補助率
(1)基盤導入経費(1)+(2)あわせて
最大 3,000万円
インボイス枠(対応類型)と同様
(1/2〜3/4、小規模4/5)
(2)消費動向等分析経費(1)+(2)あわせて
最大 3,000万円
2/3以内
(3)事務費・専門家費最大 200万円2/3以内

対象となる経費

基盤導入経費:会計・受発注・決済ソフト(クラウド最大2年分)およびPC・レジ等のハードウェア

消費動向等分析経費:消費動向・経営分析・需要予測・AIカメラ・デジタルサイネージ等(クラウド最大1年分)

事務費・専門家費:参画事業者のとりまとめに係る事務費や外部専門家謝金など

グループ全体で最大3,200万円に達する手厚い補助が用意されています。

⑤ セキュリティ対策推進枠

中小企業を狙ったサイバーインシデントによる操業停止や情報漏えいを防ぐためのセキュリティ強化に特化した枠です。事業継続(BCP)と生産性向上を支えます。

対象となる経費

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の審査をクリアした「サイバーセキュリティお助け隊サービス」として登録されているサービス製品の利用料が対象となります(最大2年分)。

申請者の区分補助額補助率
中小企業5万円〜150万円以下1/2以内
小規模事業者5万円〜150万円以下2/3以内

少額から手軽にセキュリティ対策を導入できる内容になっています。

申請を検討する際は、必ず「デジタル化・AI導入補助金(旧 IT導入補助金)事務局」の公式サイトからダウンロードした最新版の公募要領を手元に用意して確認を進めましょう。

対象になるツールの例と対象外の例

「自社が導入したいあのソフトは対象になるの?」という疑問にお答えします。

対象になるツールの代表例

事務局に「ITツール」として事前に登録されているソフトウェア・サービスが対象となります。

クラウド会計ソフト : freee会計、マネーフォワードクラウドや弥生シリーズ などの主要クラウド会計ソフト

受発注・請求書発行システム : 受領・発行の電帳法対応ツール、請求書作成クラウド

決済システム・POSレジ : モバイル決済端末、クラウドPOSレジ

勤怠管理・人事給与ソフト : 勤怠打刻システム、給与計算ソフト(会計ソフトとの連携機能付き)

対象外(補助されない)例

補助金の対象とならない費用も明確に定められています。誤って契約しないよう注意しましょう。

・事務局に登録されていない市販ソフト・自社開発ツール

・ホームページ制作・ECサイト構築費用(専用のWeb制作補助金や別枠での対応となる場合があります)

・ハードウェア(PC・スマホ等)の単品購入

・従量課金制の通信費や日常のオフィスの光熱費

・他社からの引き継ぎや、すでに利用中のツールの「通常の更新費用」

デジタル化・AI導入補助金における対象ツールの確認方法

導入したいツールやソフトが本補助金の対象(登録済み)かどうかは、「デジタル化・AI導入補助金」の公式サイトで確認できます。

公式サイトでは、用途に合わせて主に以下の2つの手段・ページが用意されています。

  • ITツール・IT導入支援事業者検索ページ
    検討している「ソフト名」や「メーカー名」を入力して直接検索できる機能です。検索結果に表示されれば、そのツールは事務局に事前登録された補助対象ツールであることが確認できます。
  • 公募要領・資料ダウンロードページ
    「公募要領」や「ITツール登録要領」といったPDF資料が公開されています。ここには、対象となるITツールの詳しい要件や、逆にどのようなケースが対象外になるのかといった明確な基準・ルールが網羅されています。

導入を検討しているツールがある場合は、まず公式サイトの検索ページで登録状況を確認し、詳しい条件については公募要領などの資料をチェックするのが確実でしょう。

申請の流れの特徴

デジタル化・AI導入補助金の最大の構造的特徴は、「事業者(申請者)が単独で申請手続きを行えない」という点です。申請には必ず、事務局から認定を受けた「デジタル化・AI導入事業者(ITベンダーやコンサルティング会社等)」とペアを組んで共同で行います。

① デジタル化・AI導入事業者の選定&ツールの選定

② gBizIDプライムアカウントの取得・マイページ作成

③ 導入事業者とともに交付申請

④ 採択発表 & 交付決定

⑤ ツールの契約・支払い・導入作業

⑥ 事業実績報告(契約書・領収書等の提出)

⑦ 補助金の交付(振り込み)

導入支援を担当する事業者が、申請書類の作成サポートやツールのセットアップまで並走してくれるため、手続きのハードル自体は他の補助金よりも低いのが魅力でしょう。

申請時の注意点(失敗しないためのポイント)

① gBizIDプライムアカウントの取得に時間がかかる

申請には政府の共通認証システム「gBizIDプライム」が必要です。発行までに数日〜2週間程度かかる場合があるため、申請締め切り間際に慌てないよう事前に取得しておきましょう。

② みなし大企業や税務未申告者は対象外

大企業の傘下にある企業(みなし大企業)や、開業届を出していない・確定申告をしていない個人事業主などは申請要件を満たさないため注意が必要でしょう。

③ 補助金は後払い(精算払い)

補助金はツール導入・支払い完了後に「実績報告」を行い、検査を通った後に振り込まれます。そのため、一時的な導入費用の全額を立て替える資金繰りが必要です。

交付決定前の契約・発注・支払いは「絶対NG」
最も多い失敗例になります。補助金の交付決定(採択)が正式に降りる前に、会計ソフトの契約や着手金・購入代金の支払いを行ってしまうと、補助対象外となります。必ず交付決定を受けてから契約を進めましょう。

2026年度 公募スケジュール一覧(7月最新情報)

「デジタル化・AI導入補助金」は年間を通じて複数回の公募が行われる予定です。最新の公募要領およびスケジュールは公式サイトの資料ダウンロードページをご確認ください。

回次申請締切日交付決定日(予定)状態/状況
1次2026年5月12日(火)2026年6月18日(木)終了
2次2026年6月15日(月)2026年7月23日(木)採択発表済(7/23時点)
3次2026年7月21日(火)2026年9月2日(水)締切直後(審査中)
4次2026年8月25日(火) 17:002026年10月7日(水)現在受付中(次回締切)
5次2026年9月29日(火) 17:002026年11月9日(月)予定
6次2026年10月30日(金) 17:002026年12月10日(木)予定

通常枠/インボイス枠/セキュリティ対策推進枠 共通ですが、複数社連携デジタル化・AI導入枠などは一部締切日が異なります。

今後も年間を通した複数回の公募が予定されておりますが、スケジュールや要件は変更となる場合がありま。申請にあたってはgBizIDプライムアカウントの取得やITツールの選定などの事前準備が必要となりますので、次回公募を見据えて早めの準備をおすすめいたします。

クラウド会計を成功させる3つのポイント

① 初期設定(勘定科目・銀行連携)を最初から正確に行う

クラウド会計を最大限に活かすポイントは、最初の設定にあります。導入時に銀行口座・クレジットカード・POSレジ等のAPI連携を正確に行い、自動で仕訳される仕組みをスタート時に整えておくことで、日々の経理が負担が大幅に軽減されるでしょう。

② 運用の仕組みをアップデートする

クラウド会計の導入と同時に、紙のレシートを集めて月末にまとめて入力する」といった従来の業務プロセスを見直すことが重要です。 スマホ撮影によるスキャン保存や受発注データの自動連携など、日々の作業フローをデジタルに移行していきましょう。

③ クラウド会計に強い税理士・専門家と連携する

クラウド会計の扱いに慣れていない税理士に依頼してしまうと、システム本来の強みを活かせなくなってしまいます。業務の効率化を確実に実現し、 システムの恩恵を最大限に引き出すためには、初期設定の構築からリアルタイムな税務アドバイスまで、一貫してサポートできるクラウド特化型の専門家へ相談するとよいでしょう。

まとめ

デジタル化・AI導入補助金(インボイス枠・通常枠等)を活用することで、負担を大幅に抑えて最新のクラウド会計ソフトや業務ツールを導入することが可能になります。

「自社がどの申請枠を使えるのか知りたい」

「補助金の申請からクラウド会計ソフトの導入・初期設定までまとめて任せたい」

このようにお考えの方は、まずはお気軽にご相談ください。

弊事務所では、デジタル化・AI導入補助金の申請サポートから、freee会計・マネーフォワード等のクラウド会計ソフトの導入・初期設定、運用定着、その後の税務顧問までワンストップで支援を行っております。

本記事の内容は執筆時点の情報を基にしております。補助金の公募要領や要件は変更される場合がありますので、最新情報は「デジタル化・AI導入補助金事務局」の公式ホームページをご確認ください。

弊事務所においても、個人事業主・フリーランスや法人化などの税務申告・開業全般サポートに力を入れておりますので、疑問点や不安がある方は初回無料の相談窓口まで、お気軽にお問い合わせください。

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