日本政策金融公庫の面談で質問される内容は?

「日本政策金融公庫の面談ではどのような質問をされるのか?」
「事前に面談の対策が必要か?」
日本政策金融公庫の融資を検討されている方の中には、事前に面談内容を把握しておきたい方も多くいらっしゃると思います。
当記事では特に日本政策金融公庫の創業融資を検討している方へむけて、面談内容や具体的な質問について解説していきます。
日本政策金融公庫の面談で質問される内容(創業融資の場合)
日本政策金融公庫からの創業融資を申請した場合、必ず日本政策金融公庫の担当者と面談が行われます。オンライン・対面いずれの場合も、所要時間は15〜30分程度が目安です。
面談では主に必要書類の「創業計画書」に記入した内容を深掘りしていくことが一般的です。
創業計画書の記入項目
- 創業動機
- 経営者の略歴等
- 取扱商品・サービス
- 取引先・取引関係等
- 従業員
- お借入の状況
- 必要な資金と調達方法
- 事業の見通し(月平均)
- 自由記述欄(アピールポイント、事業上の悩み、希望するアドバイス等)
創業計画書に記入されている内容は、申請者が自分の言葉で説明できるようにしておくと良いでしょう。
なるべく専門用語を使わずに自信を持って受け答えできるようにしておくと好印象です。
既に創業されている事業者の場合、企業概要書に記入した内容を深掘りしていくため、同様に準備しておくと良いでしょう。
日本政策金融公庫から借入する時の必要書類について知りたい方は以下の記事もおすすめです。

創業動機
創業の目的や動機は重要な審査項目の一つです。
日本政策金融公庫の経営方針のなかに「日本経済の成長・発展への貢献」があるように、事業者がどのような形で日本経済や社会に貢献するのかという視点を持っております。
綺麗な動機があるに越したことはありませんが、本心と大きく相違する嘘の動機は控えましょう。
事業に対するご自身の熱い気持ちを冷静に動機へ落とし込みましょう。
経営者の略歴等
過去の経歴や取得済みの資格等について確認されることがあります。
これから始める事業が、今までの経験に紐づくものであると審査上はプラスに働きますので、事業と略歴の関連性を説明できるようにしておくと良いでしょう。
※これから始める事業が全くの未経験領域(例、前職はシステムエンジニアだったが、未経験で飲食店を開業)の場合、審査上不利になる場合がございます。
可能な限り経験を積んでおいたり、関連する資格等を取得しておきましょう。
取扱商品・サービス
事業の商品サービス、セールスポイント、販売ターゲットや戦略等について確認されることがあります。
事業を成功させる能力(≒融資の返済能力)を見定めるうえでも重要なポイントとなります。
事前にしっかりとした計画の作りこみや客観的事実の整理をしておきましょう。競合や市場の状況、他社との差別化ポイントについても聞かれることが多いため、あわせて整理しておくとよいでしょう。
取引先・取引関係等
既に契約が確定している販売先、仕入先や外注先の情報について確認されることがあります。
取引先との資金の回収・支払条件は企業の資金繰りを把握する要素となります。
これから創業予定の方は予定も含めて情報を整理しておきましょう。
従業員
常勤役員の人数や従業員数(3か月以上継続雇用者)についても確認されることがあります。
人件費は主な固定費となるため、事業規模や大まかな資金繰りを予測するために必要な情報となります。
※従業員をこれから採用予定の場合、金利が優遇されるケースもあるため、気になる方は日本政策金融公庫の担当者に相談してみましょう。
借り入れの状況
住宅ローンや自動車ローンの有無、消費者金融からの借り入れ、クレジットカードのキャッシングの有無などが確認されることがあります。
複数先から多額の負債を抱えていたりすると審査のマイナスとなる可能性があります。
なお、一般的な住宅ローンであれば、審査上、プラスの評価になることがあります。
必要な資金と調達方法
運転資金や設備資金の必要金額の見積と資金調達方法(自己資金、親族からの借入、公庫からの借入等)などについて質問されることがあります。
現行制度「新規開業・スタートアップ支援資金」では、無担保・無保証(経営者保証なし)が中心となっており、最大融資額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)です。
返済期間は設備資金が最長20年(うち据置5年以内)、運転資金が最長10年(うち据置5年以内)と、長期・固定での借入が可能です。
自己資金について
日本政策金融公庫では2024年4月の制度改正により、旧「新創業融資制度」が現行の「新規開業・スタートアップ支援資金」に統合され、従来の「自己資金要件(創業資金の10分の1以上)」が撤廃されました。
しかし、実務上の審査では「自己資金の準備プロセス(通帳の履歴)」依然として最重要視されています。
面談では「いくらあるか」だけでなく「通帳を使ってどうやってコツコツ貯めたか」を厳しく確認されます。直前に一括で入金されたお金(見せ金)は自己資金と認められない可能性が高いため、どのように用意したか又は用意する予定なのかを正確に答えられるようにしておく必要があります。
自己資金の多寡そのものよりも、「どんな事業を、いくらで、どう回して返済していくのか」という創業計画全体の精度が、審査結果を左右する重要な要素の1つになってくるでしょう。
資金の使い道
設備資金は「なぜその機器・内装が必要なのか(見積書の根拠)」、運転資金は「何ヶ月分の何の経費に充てるのか」を具体的に説明できるようにしておきます。
あわせて、売上が計画を下回った場合の資金繰りについても聞かれることがあるため、想定しておくとよいでしょう。
日本政策金融公庫の自己資金について詳しく知りたい方は以下の記事もオススメです。

事業の見通し(月平均)
1か月あたりの平均的な売上や経費の見込みについて確認されることがあります。
特に創業予定の方、創業して間もない方は事業の見通しが不透明な部分もあると考えられますが、出来るだけ見込みの根拠を説明できるようにしておきましょう。
※事業の見通しの根拠となる資料(契約書や見積書等)の提出を求められることもありますので、関連する資料はすぐに提出できるように準備しておくと良いでしょう。
自由記述欄(アピールポイント、事業上の悩み、希望するアドバイス等)
提出済みの創業計画書に記入した自由記述欄の内容について確認されることがあります。
自由記述欄は創業計画書の記載項目を補足するために利用することをオススメしております。
例えば、売上計画の根拠となる情報(実現可能性等)や事業に対する熱い想い(動機)、これまでの経歴に紐づく事業者の強みなどが挙げられます。
創業計画書(1〜2ページの公庫フォーマット)だけでは伝わりきらない魅力や根拠を補うため、別紙の補足資料(プレゼン資料、商品写真、店舗立地データ、相見積書など)を持ち込むことが面談における評価を高めるための有効なポイントとされています。
想定質問一覧
あくまで一例ですが、日本政策金融公庫の担当者との面談でよく質問される項目をまとめましたので参考にしてみましょう。
| 質問項目 | 具体例 |
| 創業動機 | ・創業の目的は? ・創業の動機は? |
| 経営者の略歴等 | ・今までの経歴や職歴は? ・今までの担当業務や役職は? ・身につけた技能や資格は? |
| 取扱商品・サービス | ・サービスや商品は? ・販売戦略/セールスポイントは? ・販売ターゲットは? ・競合や市場などの状況は? ・他社との差別化ポイントは? |
| 取引先・取引関係等 | ・仕入先や販売先は? ・業務提携先は? |
| 従業員 | ・常勤役員、従業員の人数は? ・今後の採用計画は? |
| お借入れの状況 | ・住宅ローンや自動車ローンはある? ・銀行や消費者金融からの借入はある? ・クレジットカードのキャッシング残高はある? |
| 必要な資金と調達方法 | ・必要な運転資金/設備資金は? ・自己資金の調達方法は? |
| 事業の見通し(月平均) | ・創業当初の売上や経費は? ・軌道に乗ったあとの売上や経費は? ・売上や経費の計算根拠は? ・今後の経営目標は? ・今後の懸念事項や経営課題は? |
| 自由記述欄 | ・事業のアピールポイントは? ・事業を行ううえでの悩みは? ・希望するアドバイスは? |
面談をスムーズに突破するための3つのコツ
① 回答は結論+具体的な根拠を意識する
「〇〇です。なぜなら〜〜だからです」という根拠のある回答を心がけることで、担当者に経営者としての着実な姿勢を示せます。売上や経費の見込みについては、粗利率・客単価・損益分岐点といった数値まで分解して説明できるようにしておくと、より説得力が増します。
② 言葉だけでなく視覚資料でアピールする
創業計画書の枠内に入りきらない、カタログ・店舗予想図・詳細な資金計画などを補足資料として提示すると、事業イメージが格段に伝わりやすくなります。
③ Web面談ではすぐ見せられる準備をしておく
オンライン面談の場合は、接続環境の確認だけでなく、質問された書類や補足資料をすぐに参照・画面共有できるよう手元を整えておきましょう。
日本政策金融公庫の融資審査のポイントについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
面談前に相談できる窓口
創業準備の段階で不安がある方は、公庫が新設した「スタートアップサポートプラザ」を活用するのもおすすめです。
融資申請前の事業相談や情報発信の窓口として利用でき、面談本番の前に計画の内容を客観的に確認してもらう機会にもなります。
まとめ
日本政策金融公庫の担当者との面談で一番重要なことは、創業計画書(または企業概要書)を申請者自身の言葉で説明できるようにしとおくことです。
自己資金要件は撤廃されていますが、通帳の履歴などから「自己資金をどう準備してきたか」というプロセスは引き続き重視されます。数字の根拠と自己資金の準備過程を軸に準備を進めましょう。
担当者は敵ではありませんので、過度に緊張せずにリラックスして話すことを心がけましょう。
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