公庫の創業融資は自己資金なしでも借りられるのか?

「公庫の創業融資を受けるときに自己資金なしでも借りれるのか?」

「どのような場合に自己資金なしでも公庫の創業融資を借りられるのか?」

起業予定の方、起業されて間もない方から上記のような質問を多く受けており、気になる方もたくさんいらっしゃると思います。

当記事では自己資金なしでも公庫の創業融資を借りられるのか?を解説していきます。

目次

公庫の創業融資では自己資金は必須と考えましょう(原則)

日本政策金融公庫の新創業融資制度の概要では創業資金総額の10分の1以上の自己資金が要件となっているため、例外を除けば、自己資金は必須と考えましょう。

自己資金があることで、借り入れに対する返済能力が高いと判断される要素となるため、融資審査の重要なポイントとなります。

日本政策金融公庫の融資担当者に自己資金の必要性について直接質問したところ、「創業資金総額に対して、自己資金の割合の大きさは融資審査において重要である」という回答がありました。

公庫の創業融資で自己資金が無くても申し込めるケース(例外)

①現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方

②産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める方

日本政策金融公庫の新創業融資制度の概要より

上記のケースでは自己資金なしでも申し込みは出来るものの、”①現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方”でも自己資金が無い場合はその分だけ審査が厳しくなります。

”②産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を受けて事業を始める方”は特定創業支援の認定が必要になります。

いずれにしろ、しっかりとした自己資金を確保することが起業するうえで重要となります。

自己資金として最低限確保しなければならない総額

創業資金総額必要自己資金額融資金額(上限)
100万円10万円90万円
500万円50万円450万円
1,000万円100万円900万円
1,500万円150万円1,350万円

上表はあくまで最低限用意しなければならない自己資金となります。

融資の可能性を上げたい場合、創業資金の1/2または少なくとも1/3以上の自己資金確保が望ましいでしょう。

自己資金以外にも、事業計画や融資担当者との面談での対応も重要となりますので、融資に自信が無い方は専門家への依頼を検討するのが良いでしょう。

自己資金に含まれるもの、含まれないもの

基本的には、預金通帳やネットバンクの明細が確認でき、今までの仕事等の給料等からコツコツと貯めてきた預貯金が自己資金として認められます。

知り合いや別の金融機関、消費者金融などから一時的にお金を借りて、預金残高を増やしたとしても、「見せ金」として追及されるため、自己資金として認められることは難しいと考えましょう

また、タンス預金をされている場合、それがコツコツと貯めてきた預貯金であるか証明することが難しくなるため、融資の面談を申し込む半年以上前から、口座に入金しておくことが望ましいでしょう。

株や投資信託、保険などの金融商品なども自己資金として認められない可能性が高いため、ご注意ください。

自己資金として認められる可能性が高いもの

  • 現金預金(ご自身でコツコツ貯めたもの)
  • 退職金(ご自身のもの)
  • みなし自己資金(既に創業している場合の開業にかかった費用等)
  • 第三者割当増資(株式会社特有)
  • 資産を売却したお金

自己資金として認められる可能性が低いもの

  • タンス預金
  • 株や投資信託などの金融商品
  • 知り合いや別の金融機関等からの借入金

まとめ

公庫から創業融資を受ける際の自己資金はとても重要な要素となります。

自己資金をどのように用意したかという点も注視されるので、可能な限りコツコツと自己資金を貯めていくことをオススメします。

裏を返せば、自己資金を事前に準備することで事業に対する熱意や返済能力の適性をアピールする武器にもなります。

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