会社設立の登記に必要な書類を税理士が徹底解説

「会社設立の登記をする場合は何の書類を用意すればいい?」
「株式会社と合同会社で設立する時の書類は違うの?」
これから会社を設立しようと考えている方の中には、登記の必要書類について詳しく知りたい方もいらっしゃると思います。
当記事では、会社設立(株式会社・合同会社)の登記で必要な書類一覧、それぞれの注意点や手続きのポイント、最新のオンライン申請事情までわかりやすく解説します。
【最新トレンド】設立登記はマイナポータルでオンライン完結が可能!
行政手続きのデジタル化が進み、会社設立の手続きも大きく簡略化されました。
現在では、マイナンバーカードによる個人電子署名を利用することで、法務局へ足を運ぶことなく、自宅やオフィスから完全にオンラインで設立登記を完了できます。
特に国のサイトである「法人設立ワンストップサービス(マイナポータル)」を活用すれば、登記申請だけでなく、設立後に必要な税務署・都道府県・年金事務所等への各種届出も一括してWeb上で完了させることが可能です。
なお、電子定款の認証と設立登記は原則としてセットで同時に申請する必要がある点にご留意ください。
2026年2月2日からは、商業登記規則の改正により、土日祝日や年末年始といった法務局の休日も会社の「設立日」として指定できるようになりました。直前の開庁日に登記申請を行うことで、「創業記念日として1月1日にしたい」「大安の土曜日に設立したい」といった希望も叶えられるようになっています。
(すべての会社)会社設立の登記に必要な書類
会社設立の登記申請では、株式会社・合同会社を問わず以下の書類が基本的に必要となります。
【共通】会社設立の登記に必要な書類
①登記申請書
②登録免許税納付用台紙
③定款
④資本金の額の計上に関する証明書
⑤登記すべき事項
⑥印鑑(改印)届書(書面申請の場合は必須、オンライン申請の場合は任意)
① 登記申請書
登記申請書は、登記の手続きを行うために管轄の法務局に提出する書類となります。記載する事項は、設立予定の会社形態・機関などによって異なるため、不備の無いように注意しましょう。
なお、管轄の法務局が知りたい方は以下のページから簡単に検索することが出来ます。
法務局HP|管轄のご案内
② 登録免許税納付用台紙
登録免許税納付用台紙とは、会社の設立登記手続きに必要な登録免許税を納付するための自作の台紙(A4の紙)を指します(オンライン申請の場合は電子納付も可能です)。
台紙に登録免許税分の収入印紙を貼り付けて提出します。登録免許税は設立する会社形態によって異なります。
| 会社形態 | 登録免許税 |
| 株式会社 | 資本金額 × 0.7%(または 15万円 のいずれか高い方) |
| 合同会社 | 資本金額 × 0.7%(または 6万円 のいずれか高い方) |
収入印紙は郵便局または法務局で購入することができ、印紙種類の組み合わせに制限はありません。
③ 定款(公証人の認証済みのもの)
定款(ていかん)とは、会社の基本的な規則(ルール)を定めた書類のことを指します。
定款の絶対的記載事項
・目的
・商号(会社名)
・本店の所在地
・設立に際して出資される財産の価額又はその最低額(資本金)
・発起人の氏名又は名称及び住所
e-gov法令検索|会社法27条参照
定款の記載事項などの詳細な情報は以下の記事で解説しております。

④ 資本金の額の計上に関する証明書
定款に記載されている資本金の額が発起人により払い込まれていることを証明する書類が必要となります。
証明書には、払い込みの内容や代表取締役の氏名等が記載された書面に加えて、通常は通帳のコピーを入れて製本します。
⑤ 登記すべき事項
商号や目的、役員情報など、登記簿に記載される情報をまとめたテキストデータです。現在はオンライン申請ソフトでの送信や法務省のQRコード付き書面作成ツールの利用が主流ですが、テキストファイルを保存したCD-R等で提出することも可能です。
詳細な作成方法などは法務省のHPを参照しながら作成することを推奨します。
⑥ 印鑑届書(書面申請時は必須)
印鑑(改印)届書とは、会社の代表印(実印)を法務局に届け出るための書類となります。
(状況に応じて)株式会社設立の登記で必要な書類
会設立する会社の形態や機関設計(取締役会の有無など)によって、以下の書類が追加で必要になる場合があります。
取締役・代表取締役・監査役の就任承諾書
役員に選任された人物が、就任を承諾したことを証明する書類です。
取締役が1名の会社:代表取締役の選任手続きが不要なため、「取締役の就任承諾書」のみで足ります。
監査役を設置する会社:別途「監査役の就任承諾書」が必要です。
発起人の決定書
会社の本店所在地において、「定款では最少行政区画までしか定めていない」場合は発起人の過半数の一致によって場所を決定します。
本店所在地について決定したことを「発起人の決定書」といいます。
定款で本店所在地の住所を番地まで記載している場合は、不要の書類となります。
取締役全員の印鑑証明書 / 住民票
役員の本人確認書類として提出します。
取締役会を設置する会社
設立時代表取締役の印鑑証明書+設立時取締役・監査役の住民票(またはマイナンバーカード等の本人確認書面)を提出します。
取締役会を設置しない会社
設立時取締役全員の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)が必要となります。
資本金の額の計上に関する証明書(現物出資がある場合)
金銭以外の財産を出資する現物出資がある場合には、共通書類④の払込証明書とは別に、出資財産の評価額と資本金額が適正に計算されていることを証明する書類の添付が必要となります。
合同会社(LLC)を設立する場合の必要書類と注意点
合同会社とは、持分会社の形態の1つであり、会社の経営者自身が出資者となります。
アメリカのLLC(Limited Liability Company)がモデルに導入されたため、LLCと呼ばれることもあります。
合同会社は、株式会社に比べて設立にかかる費用が安く、決算の公示の義務が無いことなどがメリットです。
合同会社の設立登記に必要な書類
・登記申請書
・定款(公証人の認証は不要)
・出資に係る払込み及び給付の証明書
・登録免許税額分の収入印紙を貼付した申請書
・代表社員の就任承諾書
・代表社員、本店所在地、資本金決定書
・印鑑証明書
・委任状(代理人が申請する場合)
合同会社で注意すべきポイント(法人が社員になる場合など)
合同会社では、個人だけでなく「法人(別の会社)」が出資して社員・代表社員になることも可能です。その場合、以下のような特有の書類が必要となります。
・職務執行者の選任に関する書面
法人が社員(または代表社員)となる場合、実際にその業務を行う担当者(職務執行者)を定めて提出する必要があります。
・職務執行者の就任承諾書
選任された職務執行者が就任を承諾したことを証明する書面です。
・法人の登記事項証明書
出資者となる法人の実体を確認するために添付します(発行後3ヶ月以内)。
株式会社と合同会会社の比較については下記の記事で詳しく解説しています。

まとめ
会社設立登記は、定款認証後に法務局で行う重要な手続きとなります。
登記書類は、株式会社か合同会社か、また取締役会を設置するかどうかや出資者の形態(個人か法人か)などの条件によって必要書類や記載内容が細かく異なります。
近年はマイナンバーカードを用いた「オンライン申請」や「法人設立ワンストップサービス」が大きく普及し、手続きの利便性は飛躍的に向上しています。不備による再提出(補正)を防ぐためにも、事前に必要書類のチェックリストを作成し、スムーズな設立を目指しましょう。
手続きに不安がある場合は、司法書士や税理士などの専門家に依頼してみるのも良いでしょう。
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