合同会社の設立の流れは?方法や必要書類を徹底解説

合同会社の設立の流れは?方法や必要書類を徹底解説

「合同会社の設立の流れや方法は簡単?」

「合同会社は専門家に頼まなくても一人で設立できるの?」

昨今、「株式会社」と比較して設立の手続きが簡素で費用を抑えられる「合同会社」の設立に注目が集まっております。

当記事では、合同会社の設立の流れや方法、必要書類などを解説していきます。

幣事務所においても、個人事業主・フリーランスや法人化などの税務申告・開業全般サポートに力を入れておりますので、疑問点や不安がある方は初回無料の相談窓口まで、お気軽にお問い合わせください。

目次

合同会社の設立の流れ

合同会社の設立の流れは以下の通りです。

合同会社の設立の流れ

①会社の基本事項を決定する

②会社の印鑑を注文する

③定款を作成する

④出資金を払い込む

⑤設立登記の申請をする

順次、解説していきます。

会社の基本事項を決定する

最初に、合同会社を設立するための基本事項を決定します。

会社名(商号)

会社名は商号とも呼ばれ、一定のルールがあるため決めるときは注意しましょう。

合同会社名(商号)を決めるときのルール
・会社名(商号)の前か後に必ず「合同会社」を入れる

・使用可能文字が制限されている
①漢字・ひらがな・カタカナ
②ローマ字(大文字・小文字)
③アラビア数字
④一部の記号

「&」「’」「,」「-」「.」「・」

・同一住所で同一商号不可

商業登記規則50条 参照

他社の会社名(商号)と同一である場合、「同一名称、同一住所」で無ければ登記は出来ますが、事後的なトラブルになる可能性があるため、避けるのが無難です。

会社名(商号)の調査はオンライン登記情報検索サービスで簡単に出来るので、事前にチェックしておきましょう。

法務省HP|オンライン登記情報検索サービスを利用した商号調査について

事業目的

事業目的とは、会社がどのような事業を行うのか、第三者が見てわかるように文章で明記してものとなります。

事業目的は定款の絶対的記載事項に該当し、定款に事業目的として記載されていない事業は、その会社の事業として認められないため、注意しましょう。

目的を決める場合は明確性、営利性、適法性を意識して定めるように心がけましょう。

本店所在地

本店所在地とは、会社の業務を行う際の主軸となる営業所の住所を指します。

本店所在地の例
・自宅
・賃貸事務所
・レンタルオフィスやバーチャルオフィス

設立登記における本店所在地は具体的な所在地番号まで記載する必要があり、ハイフンなどを使用してはいけない点を覚えておきましょう。

登記簿の記載例:神奈川県川崎市麻生区上麻生6丁目5番12号

定款における本店所在地は、最小行政区画(市区町村)まで記載すればよいとされております。

定款の記載例:当会社は、本店を神奈川県川崎市におく。

本店所在地を決めるときの注意点

・賃貸不動産を本店所在地にする場合は、大家さんや管理会社に必ず確認をして許可を取る

・バーチャルオフィスを本店所在地とする場合、金融機関によっては口座開設できない場合もあるため、事前に口座開設を予定している金融機関に確認しておく

・助成金や補助金、融資を検討している場合は、都道府県や地方自治体によって制度が異なるため、有利な制度が利用できる場所を本店所在地とするか検討しておく

資本金(出資金)の額

資本金(出資金)とは、会社(法人)を運営するための元手となる資金を指します。

資本金は法律上は1円でも会社を設立できますが、以下の点を勘案して総合的に判断しましょう。

  • 開業初期費用と運転資金
  • 許認可の要件
  • 融資(自己資金)の観点
  • 税金の観点

資本金の決め方については以下の記事で詳しく解説しております。

事業年度(決算月)

決算月とは、事業年度における最後の月のことを指すため、期末日が3月31日の場合は3月が決算月となります。

決算月は会社が自由に決定することが出来るため、以下の点を考慮して会社に適している決算月を設定することを推奨しております。

  • 売上や利益の少ない月を会計期間の後半にすることで利益予測がしやすくなる
  • 資金が少なくなる月や支払いの多い月を決算月にしないようにする
  • 融資に有利な9月または3月に直近3カ月以内が期末日の決算書を提出できるようにする

決算月の詳細な検討方法については以下の記事で解説しております。

会社の印鑑を注文する

会社の印鑑は、設立や会社運営を行ううえで必ず必要となります。

設立登記の際は法人の実印にあたる「代表者印」があれば会社を設立することができます。

しかしながら、会社設立後の取引において、以下の種類の印鑑を用意しておくことが無難でしょう。

会社運営で必要になる印鑑の種類
・代表者印
・銀行印
・角印(社印)
・ゴム印

定款を作成する

「定款(ていかん)」とは、会社の基本的な規則(ルール)を定めた書類のことを指します。

一般的に「会社の憲法」と呼ばれたりもします。

定款の記載内容は「絶対的記載事項」、「相対的記載事項」、「任意的記載事項」に分類されます。

定款の「絶対的記載事項」は記載しない場合は定款が無効となってしまうため、特に注意しましょう。

具体的な定款の記載事項や作成方法は以下の記事で解説しております。

出資金を払い込む

定款の作成が完了した後に出資者は出資金を払い込む必要があります。

会社用の法人口座の作成は会社設立後にならないと出来ないため、発起人の個人口座に振り込みます。

資本金の払込後、通帳のコピーや払込証明書を作成する必要があるため、留意しましょう。

設立登記の申請をする

合同会社の設立登記を申請する場合は以下の書類を準備する必要があります。

(委任や現物出資がある場合は追加で必要となる書類もあります。)

合同会社を設立する場合の必要書類

・登記申請書

・定款

・印鑑証明書

・出資に係る払込み及び給付の証明書

・登録免許税額分の収入印紙を貼付した申請書

・代表社員の就任承諾書

・代表社員、本店所在地、資本金決定書

・委任状(代理人が申請する場合)

上記の登記申請書類と印鑑届出書を設立会社の本店所在地を管轄する法務局に提出します。

会社設立日は登記申請をした日となります。

郵送の場合は申請書が法務局に届き、受付処理を行った日が会社設立日となるため、特定の日を会社設立日としたい場合は直接持参の方が確実でしょう。

合同会社の設立費用は?

合同会社の設立費用は、登録免許税や収入印紙代などの法定費用(10万円程度)と資本金(出資金)が主な内訳となります。

株式会社の場合は、上記に加えて定款認証手数料(3~5万円)や登録免許税が15万円以上発生するため、20万以上の法定費用が発生することが一般的です。

合同会社の設立費用は株式会社より安くなっております。

合同会社の設立を「ひとり」で出来る?

合同会社は「ひとり」でも設立することができます。

この点は株式会社も同様となります。

合同会社は出資者と経営者が同一であり、会社が倒産した場合、出資者は出資の範囲内で責任を負うため有限責任となります。

なお、一人で合同会社を設立した場合、あらかじめ定款で社員が死亡した時の持分承継を定めていない場合は、合同会社が解散となってしまうため、注意が必要です。

合同会社設立後にやること・手続きは?

合同会社の設立後は以下の手続きを行う必要があるため、確認しておきましょう。

①登記の完了を確認

②書類や印鑑カードを取得する

③税務署に対する届け出

④地方自治体に対する届け出

⑤年金事務所に対する届け出

⑥労働基準監督署・ハローワークに対する届け出

登記の完了を確認

登記を完了しても、法務局からの連絡が無いのが通常なので自分で登記の完了を確認しましょう。

通常は登記申請した法務局のWebサイト上で完了予定日を確認することができます。

書類や印鑑カードを取得する

登記完了後は、まず以下の書類を入手する必要があります。

履歴事項全部証明書

履歴事項全部証明書は後述の税務署への届出や銀行口座の開設の際に提出します。

会社設立時は3~5部程度取得しておくと良いでしょう。

履歴事項全部証明書は法務局の窓口または郵送、オンラインで取得可能となります。

印鑑証明書と印鑑カード

印鑑証明書は、銀行口座の開設などに使用します。

申請する際に「印鑑カード」を提出する必要があるため、印鑑カードの取得もしておきましょう。

税務署に対する届け出

会社の本店所在地を管轄する税務署に対して、以下の書類などを提出する必要があります。

税務署に対する届け出

・個人事業の開業・廃業等届出書

(個人事業主から法人成りした場合)

・法人設立届出書

・青色申告の承認申請書

・給与支払事務所等の開設届出書

・源泉所得税の納期の特例の承認に関する

申請書(特例を適用しない場合は不要)

・減価償却資産の償却方法の届出書(任意)

・棚卸資産の評価方法の届出書(任意)

・有価証券の一単位当たりの帳簿価額の

算出方法の届出書(任意)

・消費税課税事業者選択届出書(必要に応じて)

上記の書類について、提出の必要性や会計処理の選択などは、税理士などの専門家に相談することを推奨します。

幣事務所においても、個人事業主・フリーランスや法人化などの税務申告・開業全般サポートに力を入れておりますので、疑問点や不安がある方は初回無料の相談窓口まで、お気軽にお問い合わせください。

地方自治体に対する届け出

会社の本店所在地を管轄する地方自治体(都道府県事務所・市区町村役場)に対して、以下の書類などを提出する必要があります。

地方自治体に対する届け出

・個人事業の開業・廃業等届出書
(個人事業主から法人成りした場合)

・法人設立届出書

提出期限などは各自治体によって異なるため、確認しておきましょう。

年金事務所に対する届け出

年金事務所に対して、以下の書類を提出する必要があります。

年金事務所に対する届け出

・健康保険/厚生年金保険新規適用届

・健康保険/厚生年金保険被保険者資格取得届

・健康保険被扶養者(異動)届

上記の書類は、原則として登記から5日以内に提出しなければならないため、期限に注意しましょう。

労働基準監督署・ハローワークに対する届け出

従業員を雇った場合は以下の労働基準監督署・ハローワークに対して以下の書類を提出する必要があります。

労働基準監督署に対する届け出

・労働保険保険関係届出

・適用事業報告書

・概算保険料申告書

ハローワークに対する届け出

・雇用保険適用事業所設置届

・雇用保険被保険者資格取得届

まとめ

合同会社の形態は設立費用を抑えられたり、経営の自由度などが大きなメリットとなります。

一方で、定款に一般承継の事項を入れなければ1人会社の出資者が死亡してしまった場合などは解散になってしまうなど、落とし穴もあるため、可能な限り専門家に相談することを推奨します。

幣事務所においても、個人事業主・フリーランスや法人化などの税務申告・開業全般サポートに力を入れておりますので、疑問点や不安がある方は初回無料の相談窓口まで、お気軽にお問い合わせください。

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