日本政策金融公庫の融資に住宅ローンは影響する?

日本政策金融公庫の融資に住宅ローンは影響する?

「日本政策金融公庫の融資審査において、住宅ローンの有無はどんな影響がある?」

「住宅ローンがあると融資審査で不利になる?」

日本政策金融公庫の融資を利用する予定がある方の中には、個人で住宅ローンを組んでいる方もいらっしゃると思います。

特に会社員を辞めて起業予定の方は、信用力の観点から退職前に住宅ローンを組んでから辞める方も多い印象です。

当記事では、住宅ローンが日本政策金融公庫の融資審査にどのような影響があるのか解説していきます。

目次

住宅ローンがあっても日本政策金融公庫の融資は受けられる

日本政策金融公庫の融資制度では、住宅ローンがあっても日本政策金融公庫の融資を受けることができます。融資審査において、住宅ローン自体が直ちに審査のマイナス評価になることはありません。

日本政策金融公庫の融資審査では、個人のローン返済履歴(個人信用情報)がチェックされます。

チェックされる内容: 住宅ローンの滞納や遅延の履歴

日本政策金融公庫は銀行と同じグループの信用情報機関(KSC)に加盟しています。必要に応じてその他の機関(CIC・JICC)の情報も照会するため、住宅ローンの返済に滞納履歴がある場合は、「期日を守れない人かもしれない」と判断され、審査において不利になる可能性が高くなります。

なお、創業融資については2024年3月末で旧「新創業融資制度」の取扱いが終了し、現在は「新規開業・スタートアップ支援資金」に一本化されています。

融資限度額は最大7,200万円(うち運転資金4,800万円)で、無担保・無保証(経営者保証なし)が標準的な扱いです。この再編にあわせて、「創業資金総額の10分の1以上の自己資金」という形式要件は撤廃されました。

ただし、「制度上の要件撤廃」と「実際の審査での評価基準」は分けて考える必要があります。この点については次章以降で詳しく解説していきます。

日本政策金融公庫の融資申請の流れについて知りたい方は以下の記事もオススメです。

住宅ローンが融資審査にプラスの影響を与えるケース

以下のようなケースでは、日本政策金融公庫の融資審査においてプラスの材料となる可能性があります。

長期間にわたって、住宅ローンの返済実績があるケース

長期間にわたって、滞納なく住宅ローンを返済し続けている場合は、融資審査にプラスの影響を与える可能性があります。

特に、創業融資などは申請者の返済能力を審査するための情報が不足しているため、ローンを返済している実績とみなすことができます。

実際に日本政策金融公庫の担当者に住宅ローンと融資審査の関係性について質問してみたところ、「融資審査にプラスの影響を与える可能性がある」との回答を得ました。

住宅ローンで取得した建物・土地の一部を事業で使用するケース

住宅ローンで取得した建物・土地の一部を事業として使用する場合、事業の日々の運転資金を確保しやすくなるため、融資審査において有利になる可能性があります。

創業融資などの場合は、開業後のランニングコスト(家賃や人件費等)と売上見込みなども審査項目のため、開業当初はコストを抑えられるように意識するのも良いでしょう。

住宅ローンを組んでから、すぐに公庫融資を受ける場合は注意

住宅ローンを組んでからすぐに公庫融資を受ける場合は、まだ住宅ローンの返済実績が少ないため、融資の審査にマイナスの影響を与える場合があります。

日々の生活費の資金サイクルにおいて、定期的な住宅ローンの返済が家計を圧迫しているかどうかも融資のポイントとなるため覚えておきましょう。

他の借入(カードローン・リボ払い・自動車ローン)との兼ね合い

公庫審査において住宅ローンは「きちんとした金融機関の担保付ローン」として前向きに評価されやすい一方、
住宅ローン+消費者金融やクレジットカードのリボ払い・キャッシング」が併存していると評価が一気に厳しくなるでしょう。

自己資金が尽きてしまうリスク

住宅ローンを組んだ直後は、頭金や諸費用で手元の現金(自己資金)を多く使ってしまっているケースがよくあります。

制度上の自己資金要件は緩和傾向にありますが、実務上の審査では「住宅ローンの購入後に手元にいくら現金(自己資金)を残せているか」が依然として極めて重要です。住宅ローンを組む際は、公庫審査で見せる自己資金まで使い切らないように注意しましょう。

住宅ローンがある人がさらに審査通過率を高める3つのコツ

最後に、収支計画以外で審査官の評価を高めるためのポイントを3つ紹介します。

1. 住宅ローンの滞納がないことを確認する

日本政策金融公庫は審査時に必ず指定信用情報機関(CICなど)を参照します。過去に住宅ローンの返済遅延(うっかり引き落とし不能含む)があると、どれだけ素晴らしい計画書を作っても審査に通りにくくなります。不安な方は事前にご自身の信用情報を開示請求しておくとよいでしょう。

2. 配偶者の収入や生活用預金をアピールする

配偶者にパートや正社員としての収入がある場合、家計の負担が大きく軽減されます。創業計画書や面談時に「家計全体の収入構造」を説明できるように準備しておくとプラスになる可能性があります。

3. 自己資金(事業用資金)と生活用資金を明確に分ける

新規開業・スタートアップ支援資金の審査で提示する「自己資金」とは、事業に使えるお金のことです。手元の現金をすべて事業用として提示してしまうと、「生活費が足りなくなったらどうするのか?」と疑われる可能性があります。口座を分け、「事業用の自己資金〇〇万円」と「生活維持用の預金〇〇万円」を明確に区別して提示できるようにしましょう。

まとめ

日本政策金融公庫の融資審査において、住宅ローン自体が直ちに影響を与えるわけではありませんが、ローン返済の滞納がある場合や住宅ローンを借りて間もない方はマイナス評価となってしまう場合があります。

特に、将来的に創業融資などを予定されている方は住宅ローンを組むタイミングやローン返済に気をつける必要があります。

弊事務所においても、個人事業主・フリーランスや法人化などの税務申告・開業全般サポートに力を入れておりますので、疑問点や不安がある方は初回無料の相談窓口まで、お気軽にお問い合わせください。

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