開業届とは?個人事業主にとってのメリットは?税理士が解説

税理士がやさしく解説開業届の基本

「そもそも開業届ってなに?」

「個人事業主にとっての開業届を提出するメリットはあるの?」

これから事業を始める予定の方や起業したい方の中には、開業届に関する疑問がある方もいらっしゃると思います。

当記事では、開業届に関する基礎知識や個人事業主にとっての開業届を提出するメリットを解説していきます。

目次

開業届とは、新たに事業を開始したことを税務署に届け出るための書類

開業届とは、新たに事業を開始したことを税務署に届け出るための書類です

正式な届出の手続名は「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」といいます(国税庁HP参照)

個人事業主の場合、1年間(1月~12月)の所得に対して税金(所得税)がかかるため、確定申告をする必要があります。

開業届を税務署に提出した場合、「個人事業主として税金(所得税)を納める」と税務署にお知らせすることとなり、それ以降は、税務署から必要な情報を事業主に連絡したり、申告・納税の管理がされます。

後述の通り、開業届を提出するメリットもあるため、事業を開始した方は開業届を最寄りの税務署に提出するようにしましょう。

最寄りの税務署がどこか知りたい方は、国税庁HPから簡単に住所検索することができます。

国税庁HP_申告書様式より引用

開業届の具体的な作成方法は以下の記事で詳しく解説しております。

開業届を提出するメリット(個人事業主)

開業届を提出するメリットは複数あります。

個人事業主にとって、事業を始めていくための基礎的な知識でもあるので、しっかりと押さえておきましょう。

青色申告するためには開業届の提出が必須(税金を安くする)

個人事業主が確定申告をする場合、青色申告と白色申告の種類があります。

青色申告の方法で確定申告する場合は、税金が安くなる(最大65万円の所得控除)等のメリットがあり、この青色申告を利用する場合は開業届の提出が必須となります

青色申告制度とは、1年間(1/1~12/31)に発生した事業主の所得金額を計算するために、収入金額や必要経費にかかる日々の取引を複式簿記で記録した帳簿を作成し、必要な書類を保存するなどの一定の要件をクリアした人が所得金額の計算などについて有利な取り扱いが受けられる制度となります。

白色申告制度とは、簡単にいえば青色申告よりも楽な方法で帳簿を作成・確定申告する制度のことで、青色申告制度に比べて、節税のメリットが少ない点が特徴的です。

なお、青色申告を利用する場合は、開業届と合わせて青色申告承認申請書を税務署に提出する必要があるため、覚えておきましょう。

屋号で銀行口座を開設することが出来る

屋号とは、個人事業主やフリーランスの方がビジネスを営むうえでの名称のことであり、会社に例えるならば、「会社名」に該当します。

※屋号の例・・・○○商店、○○事務所、オフィス○○等

個人事業主やフリーランスの方の銀行口座の名義が屋号の場合、事業とプライベートの支出を明確に分類管理できるため、新たに事業を始められる方には屋号付き銀行口座の開設を強く勧めております。

また、取引先への支払や入金先口座の名義について、「個人(氏名)の名義」より「屋号の名義」の方が社会的信用力があると判断される場合もありますので、対外的なイメージも考慮してみましょう。

オフィスの賃貸契約や融資審査に申し込みが必要

新たに事業を始めるにあたって、オフィスを借りたり、創業融資を申し込む場合には開業届の控えの提出が必要となることがあります。

創業後すぐにオフィス契約や融資を希望される方は早めに開業届を出しておくと良いでしょう。

なお、日本政策金融公庫の創業融資を検討の方は、開業届の控え以外にも複数の必要書類があるため、以下の記事もおすすめです。

法人向けのクレジットカードの申し込みができる

個人事業主が開業届の控えを提出することで、法人向けのクレジットカードを申し込むことが出来る場合があります。

クレジットカードも事業用とプライベート用で分けて持つ方が管理しやすくなるのでオススメです。

職業の証明書として使用できる

上記以外にも、様々な公的手続において職業の証明書として開業届の控えを求められるケースがあります。

なお、2期目以降は1期目の確定申告書の控えが求められるケースが増えますので、そちらも控えを保存していくようにしましょう。

開業届を出さないとどうなるのか?

個人で事業を開始した場合、開業届を所轄の税務署に提出する義務が発生しますが、実際は開業届を出さないまま事業を行っても罰則等はないことが通常です。

しかしながら、罰則等が無いからと言って、開業届を出さなくてもよいというわけではないので、覚えておきましょう。

【2026年最新】開業届の提出期限

従来の開業届の提出期限ルールは事業の開始等の事実があった日から1カ月以内に提出する必要がある旨が所得税法で定められていました。

しかし、2024年度(令和6年度)の税制改正によって見直され、2026年(令和8年)1月1日以後は、

「開業した年分の確定申告期限まで(原則翌年3月15日まで)」に提出すればよいルールへと大幅に緩和されました。

そのため、「最初の確定申告のときに開業届もまとめて出せばよい」という分かりやすい形に簡素化・一本化されたのが大きな特徴になります。

開業届の期限は「確定申告まで(翌年3月15日)」に緩和されましたが、節税(最大65万円控除)に必要な「青色申告承認申請書」の期限は従来通り「開業日から2か月以内」のままになるため注意しましょう。

実務上は「従来どおりすぐ出す」のが推奨

屋号つき銀行口座の開設やオフィスの賃貸契約、日本政策金融公庫などの創業融資を受けるには、引き続き「開業届(またはe-Taxの受信通知)」が求められます。確定申告まで待たずに、開業したら早めに提出することをおすすめします。

まとめ

2026年(令和8年)以降、開業届の提出期限は「確定申告期限(原則翌年3月15日)まで」に緩和されましたが、実務上は「開業後すぐ出す」のがよいでしょう。

節税効果の高い「青色申告承認申請書」の期限は『開業から2か月以内』のままになっています。また、現在は紙の収受印(受領印)対応が廃止されているため、口座開設や融資審査の証明用として、e-Taxで提出した際の「受信通知」を保存しておくことが大切になります。

これから事業を始める又は事業を始められて間もない方は、開業届を提出するメリットを考慮して早めに提出することをオススメします。

弊事務所においても、個人事業主・フリーランスや法人化などの税務申告・開業全般サポートに力を入れておりますので、疑問点や不安がある方は初回無料の相談窓口まで、お気軽にお問い合わせください。

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